機能【function】

  この言葉は使われる領域や分野によって、その意味は微妙に異なってくることを前提としなければならない。一般的には、体系として捉える働き、つまり設定されている目的に対する貢献作用性と見なすことができる。それは、体系を構成する要素や、その諸部分の作用が、全体的な体系にまで影響し、相互作用的に目的に対して合理的な貢献という観点で、関数的な認識としての役割の実現度を意味する。 デザインは、機能、機能性、機能主義、あるいは機能美などを、デザインの本質論の中で、常に課題であり問題であり議題としてきた。それは機能という定義から、さらにデザインの役割、まさにデザインの機能を見つけだそうとすればするほど、強い相互作用性のある関係論のキーワードになっている。とりわけ、形態と機能、環境と機能、関係性としての機能などが、キーワードやコンセプトを提案したり解説したりする場合、意識化されるための言語的な指向へと繋がってしまうわけだ。 まず、人間が機能を思考し意図する場合、自然が生み出している働き、特に自然形態の果たす役割を模倣することで、機能的であろうとしてきた。これはダーウィニズムに最も反映した機能主義の系譜と考えていいだろう。自然の機能を集約した技術学としては、物理的なシステムの要素として機能要素を発見し、その実現を図ろうとすることになる。また、その成果そのものを機能と定義することが、あらゆる分野での機能の設定とその評価の起因になっている。またその反極には、人間の生活機能をつかさどる神観念に、機能神を設定し、神に対する儀式や祝祭において、あらゆる宗教に、機能を重視し畏敬する心理作用が、モノの形態や形式に象徴性と機能性を思考する動機になっていると考えることもできる。 結局、デザインと機能の関係は、あらゆる分野や領域、さらには歴史的な系譜を基盤として、機能の定義を創出していくことが、デザインの本質で、機能の意味性を表現し伝達していくことができると考えるべきだろう。

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