ファッション【Fashion】

  「流行」を意味する。初期のfad(一時的流行)という少数者による支援の段階を経て、中長期において「誰もが追随する」ことになるという風潮であり、経済的な消費志向を意味している。特に、日本では服飾市場の用語という感が強い。生活の基本要素である衣食住のなかで、衣が流行の象徴あるいは中心となるのは、経済的に代替が最もたやすいからである。人類学的には衣の文化は地域によって異なり、絶対的な必須条件のあるものではなく、衣は最も自由度が高いということである。そして、社会的に衣は自己を演出する呈示機能を持ち、その刺激因、かつステータスの標識になる.ファッション、つまり流行とは消費と生産の関係付けである.例えば、企業は販売の促進とその情報化によって、市場への介入と操作・制御を行うことができる。これは、消費と生産の関係付けであり、それ以前に、流行と慣習の関係付けなのである。これについては、社会進化の法則・流動的慣習・権威の模倣一誇示的消費・同調と差別化・無秩序な慣習・慣習の循環・他人志向などという観点からの理論的解釈が試みられている。しかし、ファッションを、社会現象による生活様式の混乱あるいは停滞と発展、等質化と異質化などの二項対立論で解釈することは時代遅れになっていると断言しておきたいロファッションは企業の操作による消費の結果であり、マスメディアやカウンターカルチャーによる大衆心理の操作の結果であると見なすべきだろう。すなわち、ファッションの主体的骨格を成すのは、イベント性・記号性一操作性」同調性である。そして、デザインが消費動機の記号創出の役割を担うことになれば、デザインとファッションが同義性または同位性で評価されることが一般的である。しかし今や、デザインの本質や成果、社会的職能としての目的とは、当然、ファッションから逸脱し離脱した、何らかの関係性を市場経済の中に誘導することであると考える。なぜなら、新世紀の新資本主義構造の転換が、新しいデザインのあり方をも要請しているからである。ただ、それでも、ファッションの活性的な感覚論と、その効用については容認しておくべきだろう。

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