メディアインテグレーション【Media integration】

  メディアに対する利用・応用、さらにその効果を合目的化・総合化することを、メディアインテグレーションと定義する。メディアの応用や表現手法に関してはメディアミックスやマルチメディアなど、数多くの言葉がある。特に1990年代には、マルチメディアという言葉によって、コンピュータ技術の進展によるメディア社会の革新性が喧伝されたが、それはコンピュータとインターネット、携帯電話の一般化のみが語られただけであり、その後マルチメディアという言葉は消滅している。私は従来から、このマルチメディアという言葉の意味の曖昧さを批判してきた。代わって、メディアというツールや、メディアとコミュニケーションあるいはメディアと環境といった数々の問題を、メディアインテグレーションという言葉に集約し、それを収束させていく総合的で具体的な方法論として、デザイン手法の導入の必要性を発言してきた。
 これはすなわち。メディアの形式と内容表現においてデザインを導入するということである。ただし、この場合のメディアのデザインは、インタラクションデザインやインタフェースデザインといったコンテンツデザインとあたかも同等にとらえられることがあるが、そうではない。なぜなら、メディアインテグレーションとはテクノロジーやサイエンスによって裏付けられた新たなメディアアイテムの創造による形式と内容の革新だからである。簡単にいえば、新聞はウエブサイトとなり、映画はDVDというパッケージソフトになるというように、メディアの形式に革命が起き、その結果としてメディアコンテンツとの「統合化」が起こるということである。つまり、メディアの形式とコンテンツの効用・効果を統合し、時代と社会における新たな価値をつくり上げること。それがメディアインテグレーションであり、デザインは大きく寄与できるはずである。   

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