マルチメディア【Multimedia】

  マルチという英語の接続詞は、マルチ商法やマルチタレントというように日本人にはなじみ深い言葉であり、英語においても、広範囲かつ多様に使用される。マルチメディアもそうした言葉であり、元来はコンピュータ用語である。コンピュータ上で、文字・図・写真・動画・映画・音楽などさまざまな表現形式を統合的に表示し、その表示が直感的に認識できることや、感性的な享受がきわめて容易で、検索機能や順列配置の自由度に優れた機能性すべてを統合したという意味の言葉である。1960年代から、コンピュータによって画像や音声を表現することが求められ、80年代半ば以降は、衛星放送・パソコン通信・ビデオテックス・CATV・ISDN・CD-ROM・DVDなど、さまざまな新しい情報メディアが登場し、これらはニューメディアと呼ばれた。しかし、これらのなかには統廃合されて今ではほとんど使われていない呼称も多い。  そして、コンピュータの進展が、単なるメディアの統合という方向に向かわなくなり、さらに新たな概念と運用が付加されていくなかで、流行語としての、マルチメディアという言葉は終焉を迎えたと言ってもいいだろう。その一方で、新聞やラジオ、テレビなど、出版や放送、通信での電子的なメディア全体を統合化する概念として、私はメディアインテグレーションという呼び方を提示している。デザインにおいては、こうしたマルチメディアを対象とするデザインをデジタルデザイン、あるいは情報デザインと呼び、新たな領域となっている。   

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