マスコミュニケーション【Mass communication】

  「新聞・雑誌・ラジオ・テレビ・映画などのマスメディアを通して、大量で均一的な情報(メッセージ)を不特定多数の受け手に伝達するコミュニケーション、およびその現象を示している。パーソナルコミュニケーションと対比することで、その特徴は明解になる。まず、送り手は専門的な組織集団によって、分業的かつ協同的あるいは共謀的なメッセージを生産する。そのメッセージの内容は不特定多数の誰に対しても開示されたもので、理解が可能である。また、メッセージの伝達機会は定期化しており、送り手と受け手の関係までを固定化し、かつフィードバックは皆無であるか極度に限定されている。そうした場合のメッセージの内容は、形式を問わずに、4つの領域に分別することができる。まず、事件の発生や推移、背景などをジャーナリスティックに伝える報道性という領域。次に意見や主張性のある論評性。さらにエンターテインメントとしての娯楽性。そして、教育や啓蒙としての教養性である。マスメディアによるこうした伝達形式は、宣伝や広告などの情報操作にとっても最適な手段であり、手法であることは間違いない。
 しかし、コンピュータの登場によって、マスメディアそのもののハードウェア形式が変容し、それとともに情報(メッセージ)の、より詳細で瞬時的な伝達が可能となった。パーソナルコミュニケーションの手段としてのコンピュータの登場が、マスコミュニケーションのあり方そのものの再考へと繋がってきたのである。「議題設定機能」とも呼ばれているマスコミュニケーションの影響力の再検証が、パーソナルコンピュータによって可能になってきたということである。つまり、これまでのように一方的でフィードバック機能のないマスメディアに対して、ウェブサイトの登場やデジタル技術などの進化によって、双方向性を構築しつつあるということでもある。
 デザインについて言えば、マスメディアにおける表現やマスコミュニケーションから解放された、新たなコミュニケーションの展望と革新的なコミュニケーション表現を見出すことが重要であると考える。   

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