トポロジー【Topology】

  「場・場所」を意味するギリシャ語のトポス(topos)に由来する。ドイツの数学者J. B. リスティング が1847年の著書『トポロジーの初歩』で初めてこのことばを使った。日本語では位相幾何学と訳す。トポロジーの数学的な内容を充実させたのは、フランスの数学者、H. ポアンカレで、彼は位置解析学(analysis situs)と呼んでいた。トポロジーということばが普及したのは ドイツの数学者、S. レフシェッツによる1930年の著作『トポロジー』によってである。この後、トポロジーということばで、極限や連続の概念を定義し、集合論に導入することで数学的な構造を示すことができた。さらに、振動や波動のような周期的な現象において、その時間的・空間的な過程での変数を物理的に解釈することも可能になった。この数学的、物理的な内容や方法論によって、対象となる図形の位置や、形状に関する性質、さらに図形を構成する点の連続性を明確にすることができるようになった。  これらトポロジーの概念や定義の解釈により、図形や形態、空間、さらには物質の変化の状況までを幾何学的に運用することができると考えられる。つまり、これまでのユークリッド幾何学を離れて、位相幾何学による形態設計や空間設計ができるのではないかと考えられる。なぜなら、点・線・面という要素やその変化を3次元、さらには4次元空間の設定の中で、こうした要素を取り扱うことができるからである。具体的には、デザイン手法として、コンピュータ上での3次元CAD、4次元CADによって、トポロジー的な空間や形態の作成が可能となり、これまでユークリッド幾何学的な発想や解釈にとらわれていた造形手法を革新することができると確信する。  すでに、現在はトポロジーによって、コンパクト空間の定義や、カタストロフィ理論の応用を、人工物設計の新たな手がかりにすることが可能である。これまで図学という領域内で発想し表現していたことから解放されるということだ。特に、バーチャルなトポロジー的形態であっても、光造形システムなどラピッドプロトタイピングという手法との連動によって、タンジブル(触れることが可能)な形態認識が可能になっている。つまり、位相幾何学をデザイン手法とすることは、デザイン手法そのものの大きな変革を果たすことではないだろうか。   

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