イメージ【Image】

  ラテン語のimagoを原語とし、本来は視覚的に捉えられるモノの形であったが、感覚的に捉えることができる「心的表象」という意味に転じる。imagoはギリシア語のeikon(icon)やphantasma (fantasy)に対応した言葉であったために、心的表象の物質化されたもの、想像の産物、夢想、白日夢など視覚的表象に止まらず聴覚や味覚や触覚など五感の感覚的な性質までを包含するまでに意味は拡大していった。 つまり、観念や概念に至るまでの感覚的な印象といってもいいが、その印象が感覚的な興奮や主観的であるということから実は希薄なことが多い。それは個々人の感受性や観念によって、社会的な影替や時代的な概念を受け入れる共同幻想となる。これが世界観というイメージを形成している。 デザインにおけるイメージは、概念仮定や観念設定をする場合の認識的な手続きと考える。そのために、イメージスケッチという使い方があるように、デザインのいわば「知」を成立させる大きな要素である。さらに、デザインコンセプトは、イメージでデザイナー個人の知を普遍化させるために、デザイン対象を認識する主体と認識される客体として、見えるものや見えてくることなどを統合的なことばの表現による世界観として成立させていくことを目指す手法である。イメージとコンセプトの結合感や距離感を、さらにイメージ的で感覚的な知性としてデザイナーはイメージ=想像を提出することになる。しかし、デザイナーからのイメージがユーザーに共有されない場合は、デザインそのもの、あるいはデザイン概念や観念において、認知という一般化や普遍化は起こらない。これは、人間の感覚や認識において、世界観を幻想=イメージで形成してきたことに起因する。特に、情報化、例えば映像や写真やバーチャルな表現によってもたらされた自然や事物との身体的な剥離感や喪失感である。よって、デザインはイメージの再生やイメージの回復を企てる文明的な行為という問題をさらに抱え込んでしまっている。

Copyright © 2018 Kazuo KAWASAKI. All Rights Reserved.