象徴【symbol】

  直感的に知覚できない何か「意味」や「価値」を、ある類似性によって具象化したもの、または形象を象徴と呼ぶ。象徴は英語ではシンボル=symbolである。このsymbolの語源は、ギリシア語の動詞symballein=一緒にする、の名詞=symbolonに由来している。symbolonは、何かものを2つに割っておき、それぞれの所有者が、それらを付き合わせることで、相互に身元を確認し合うもの、つまり「割符」を意味していた。すなわち、何か共有しているものが異なっていても、類似性を確認できうることが象徴の基本的な意味である。しかし、必ずしも類似性があるということに意味や限定や集約があるわけではない。 象徴とは多義的な概念であり、象徴するものと象徴されるものというのは、お互いの関係が何かの対応性によって類似している二項として、それらの間に集団的、社会的に承認された何らかの約束事が成立している。 この二項関係において、それぞれがある領域で相互的な照射関係を持っているか、または二項の結ぶ付き方の深度や豊かさが認められるとき、その深度的な認識となる一方を象徴と呼ぶことになる。この照射関係的な判断によって、実在と精神とを媒介するあらゆる表象を象徴と定義することができる。つまり、二項関係を解読する両義的な表現の規定があるということである。例えば、抽象的なものを具体的なものに翻訳するとか、複雑なものを単純なものにするとか、見知らぬものを見慣れたものに変形させて理解可能にしていくという思考方法にもなり得るということである。 デザインにおいても、シンボル化という手続きや段取り、あるいはその経過を必ずデザイン成果は内包していると考えることができる。デザインによる意味づけ、あるいは価値付けというのは、まず、イメージやコンセプトを、実在するもの、機能するもの、そして構造化された表現にして、最終的なデザインの結果が、理解され、共有される意味性と価値観に至る何らかの象徴性やシンボルでなければならない。

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