ネットワークモデル【Network model】

  ストレートにこの言葉を定義すれば、社会現象を点の集合と見なし、点と点を繋ぐ線の集合までを表現し、それを人々が意識化しているということである。つまり、個人であれ集団であれ、行為者が点となり、態度や資源、情報など行為者の間で交換されるすべてを線と考え、その表現の総体が現象として人々に意識化されているということである。もっと具体的には、友人間、親族間、民族間、国家間などの関係すべてを、伝達網、機能網、文化網としてのネットワークで表するということである。1960年代、ネットワークモデルは「記述化」と「計量化」による分析的ネットワークの方法論として、そのモデルづくりが検討された。この知的運動の形成をフォーマリズム的に構築していく運動=ダイナミックスが、やがてネットワークモデルと呼ばれるようになった。ネットワークには必ずその中心がある。社会的には、権力による支配力をどのように集中化あるいは分散化すれば理想的なネットワーク、特に、関係の構造と変化をモデル化できるか、ということである。このことに最も注目していたのが、心理学者、F・ハイダーを中心とする先駆的なバランス理論である。この理論は、ネットワークの生成・形成について、互酬性・推移性・中心性という観点から理論的展開を図るものであった。こうした考え方は、以後、一応の成果を上げることとなる。しかし、社会的なネットワークは、理論的に分析可能なモデルでは決してない。ネットワークモデルの理論的な構築は、現実の社会システムとの乖離が顕著となり、経験的なモデルの検証に陥ってしまっているのが現状だ。そうしたことからも、デザインにおけるネットワークモデルの提示は、グランドデザインという政策ヘデザイン手法を導入するためにも、確立していくべき大きなテーマであるとさえ確信している。   

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